ボートレーサーになるための試験とその内容

ボートレーサーになるための試験とは? ボートレースは、狭い競艇場内で水面を駆け抜ける迫力ある競技で、国内でも人気を集めています。 そのレースに参加する「ボートレーサー」になるためには、特別な訓練と試験を突破する必要があり […]

TOP » 競艇(ボートレース) » ボートレーサー » ボートレーサーになるための試験とその内容

目次

ボートレーサーになるための試験とは?

ボートレースは、狭い競艇場内で水面を駆け抜ける迫力ある競技で、国内でも人気を集めています。

そのレースに参加する「ボートレーサー」になるためには、
特別な訓練と試験を突破する必要があります。

この記事では、ボートレーサー養成所に入所するための試験について、
そのプロセスと内容を詳しく解説します。

養成所で朝行われる乾布摩擦の様子

1. ボートレーサー養成所の概要

ボートレーサー養成所は福岡県柳川市にあり、1年間の訓練を通してボートレーサーを育成する施設です。

この訓練を修了し、国家試験に合格すると晴れてボートレーサーとしてデビューすることができます。

養成所の入所試験は年に2回実施され、競争倍率はおおよそ20倍から40倍にのぼる厳しいものです。

受験資格として、年齢は中学校卒業から29歳まで、
さらに身長、体重、視力の条件をクリアする必要があります。

養成所への入所試験は、一般的に1次、2次、3次の3段階で構成されており、
徐々に範囲が狭まっていく過程で実施されます。

2. ボートレーサー養成所の入所試験の流れ

一次試験:基礎学力と体力測定

一次試験は、全国各地の主要都市で年に2回実施され、筆記試験と体力測定が行われます。

筆記試験では中学校卒業程度の学科(国語、数学、理科、社会)が課され、
特に記述式ではなくマークシート方式で、1教科あたり15問、全体で60問を40分以内に解答します。

一方、体力測定では、握力、上体そらし、背筋力、立位体前屈、垂直飛びなど、
運動神経や筋力を計るテストが行われます。

これらは一発勝負で実施されるため、緊張感の中で実力を発揮できるかが重要なポイントです。

また、受験者は制限体重や視力を満たす必要があるため、
視力が基準を満たさない場合はレーシック手術などの視力矯正が必要になることもあります。

二次試験:適性試験と実技、集団生活

一次試験を突破した受験者は、福岡県柳川市の養成所に集められ、約200人が二次試験に進みます。

この段階ではおおよそ5倍の倍率でふるいにかけられることになります。

二次試験の初日に行われるのは、身長と体重の検査です。

規定を満たしていない場合、その場で退場となります。

二次試験には持久走(1500メートル)や50メートル走、反復横跳び、上体起こし、腕立て伏せ、垂直跳び、開脚前屈などの体力テストに加え、性格検査や視力、動体視力、全身反応力を測る適性試験が行われます。

その他、視力検査や体格測定も実施され、さらに実際にボートに乗っての操縦試験も含まれるため、
ボートレーサーとしての基礎的な適性が問われます。

試験は3日間にわたり実施され、合格発表は4日目の朝に行われます。

この合格発表では、合格者の番号と名前が順に呼ばれ、
呼ばれなかった者はその場で不合格が確定し、帰宅となります。

多くの受験生が涙を流す瞬間でもあり、ここでの不合格は非常に悔しい経験となるでしょう。

三次試験:面接と身体検査

三次試験に進んだ受験者は、すぐに面接が行われます。

面接では志望動機、試験の感想、尊敬する選手など、比較的簡単な内容が中心ですが、
明確かつ堂々とした態度が求められます。

また、面接は1人ずつ行われるため、待機時間が長く、精神的な忍耐力も必要です。

最終日には病院に移動し、身体検査が実施されます。

健康診断のように全身の測定が行われ、ボートレーサーとしての適性を再確認されます。

これが終了すると解散となり、連絡先の交換なども許可されるため、
合格者とその場で再会することもあるようです。

三次試験の結果は約1ヶ月後に郵送で通知されます。

封筒の厚みで合否がわかるとも言われており、
厚みのある封筒には入所に必要な書類が多く含まれているため、合格を意味することが多いようです。

3. 試験に備えるための方法

試験に備えるためには、事前のセミナーや予備校を活用する方法もあります。

試験の模擬体験ができるセミナーが全国で開催されており、
未経験者にとって試験の流れや内容を知る良い機会です。

また、ボートレーサーを目指すための予備校も存在しますが、
受講料は高額であるため、受講する際は十分な準備が必要です。

ただし、ボートレーサー養成所はこれらの予備校を公認していないため、
予備校を利用していることが試験官に知られると、不利になる可能性があるとされています。

このため、試験合格後も予備校利用の事実を隠すことが推奨されています。

4. 養成所入所後の訓練と費用

合格者は1年間の養成所生活に入り、
訓練を受けながらボートレーサーとしての基礎を築いていきます。

かつては年間120万円の訓練費用が必要でしたが、2017年からは養成所の無償化が行われ、
経済的な負担が大幅に軽減されました。

養成所では厳しい訓練が続きますが、同じ目標を持つ仲間との共同生活もまた、
大きな励みとなるでしょう。

最近観覧した記事